血潮とびちがいたる秋の暮れ
そぞろに金
ぶうらんこは ひとりでいるか
灯のとける川面 ちたちたと ふるえたるに
舟の白きのながれてゆくか

*

冬の朝まだき
街は見知らぬひとのかお
そのよそしさが
わたしに やさしい
茜さして
血の通いだすビルディング
いま初めて気づいたように
手を上げて挨拶する


*
世界で最も好きな窓辺にて.